メルマガ読者さんから次のような質問をもらいました。ありがとうございます。
「スノーボードのフリーランとカービングで滑り方は違うんでしょうか?知り合いからカービングとフリーランでは滑り方や姿勢も違うと聞きました。」
こうやってご質問に応えながら、良い講座にしていけたらなと思います。
さてご質問の回答ですが、このあたりはスタイルによっても変わる部分はあると思いますが、私はフリーランの延長がカービングだと思っているので、「基本的には同じ」です。
野球で言うところの「ヒットの延長がホームラン」というのと同じで、フリーランでもう少し「キレ」を出したいならカービングをするっていう感じですね。
ということで、今回はフリーランとカービングの違いについてお話します。
(photo credit: On the road to 360° via photopin (license))
フリーランとは?まずは言葉の定義から
まず初めに言葉の定義からしていきましょう。
一応この場では、フリーランとは自由に滑ることとします。
ゲレンデを上から下までリラックスしてクルーズするような滑りをフリーランとしましょう。
その間にグラトリをしてもいいし、キッカーがあったら入ってもいいし、コース脇のパウダーを滑ってもいい。
そんな自由な滑りを「フリーラン」と定義します。
カービングとは、雪を掘って滑ること
では、一方で「カービング」とはどんなターンかというと、直訳すると「雪を掘って滑るライディング」です。
カービングとは、CARVE(掘る)という英単語から来ていて、CURVE(曲がる)ではありません。
なので、よく「カービングターンのことを一本のラインで滑ること」と言われますが、厳密には違います。
「結果的に」一本のラインで滑っているように見えますが、一本のラインには「幅」があるということです。
その「幅」によってスピードをコントロールしているんですね。
なので、カービングターンは「ズレてはいけない」滑りではなく、ある一定の幅の範囲内であれば「ズレていい」滑りとなります。(その一定の幅がどれくらいかと言われると断定しきれないのがいやらしいところです。苦笑)
また、スピードに関してもフリーランよりカービングの方が比較的速く、ゲレンデを疾風の如く滑り降りるような滑りですね
フリーランとカービングの根本の滑り方や考え方は同じ
こんな風に定義した時に、フリラーンとカービングの違いがあるか?と言ったら、基本的な滑り方や考え方は同じです。
「フリーランでクルーズしてて、ちょっと良いバーンがあったから、ここはカービングで滑ろう」
だったり、
「圧雪バーンだと思ったら、少し下の層はアイスバーンだなぁ」
ってこともあるわけです。
そういった中でいちいち滑り方を変えていては、「とっさ」の時に反応してくれません。
なので、基本は「ターン前半からズラす」です。(*これが重要です)
ターン前半のとらえからズラしにいくことで、ターンの前半でもスピードのコントロールが可能になります。
カービングではその「ズレの量が少ない」っていうだけです。
結局、カービングもフリーランの延長にあるんで「滑り方の根本」が変わるってことはないです。
両方とも基本のポジショニングは同じですし、目線の送り方も基本的には同じです。
滑りの「質」を上げるために必要なこと
フリーランもカービングも基本の考えは同じだというお話をしました。
そこで、滑りの「質」を上げるためにやってみてほしいことがあります。
それは「一定」のスピードで滑り降りれることを練習してみてください。
これが基本になります。
どういうことかと言うと、ターンの前半・中盤・後半でスピードの変化が少ない滑りが良い滑りです。
というのも、ターン前半は板が下(谷方向、またはフォールライン)を向くので「加速する領域」です。
この「加速する領域」のターン前半のときに、しっかりと「ズレ」を使ってスピードをコントロールできるのが上級者です。
一方で、ターン中盤・後半に「ズレ」が集約して、「ガガガ」といった「急激な」スピードコントロールになってしまう人もいると思います。
そういった人は、まずはフリーランで「一定のスピード」で滑ることを意識するようにしてみてください。
スピードの強弱がないように滑るのは意外に難しいです。
そしてそれができた上で、そこからカービングで深いターンをしたければ、「腰」をよりターンの内側へと倒しこむといった感じでカービングにつなげれば良いです。
まず、基本は「一定」のスピードで滑ることです。
私はカービングでは角付け量やそれに対応した姿勢によって「見た目」は変わりますが、基本的な動きはフリーランのときとほとんど同じです。
ターンの前半からノーズで捉えつつ、スピードをコントロールし、ターン中盤で板の反発をもらって次のターンの推進力とする。(*カービング中もターン前半はノーズで「ズラし」てます。)
フリーランでもカービングでもこんなことを意識してます。
なので、あまり難しいことを考えない方がいいのではないかと思います。
カービングというものを「特別視」しすぎると、肩肘張った滑りになるので、楽しくなくなってしまうかと思います。
滑り方は人それぞれですが、私は「どんなシチュエーションでも応用の効く滑り」を目指しているので、こういった滑り方をしているっていうだけですね。
ちなみにJSBAのイントラ検定もこういった「どんなシチュエーションでも応用の効く滑り」が求められてると感じています。
それっていうのは「ズレ」をコントロールするということになりまして、実技試験でもそこが見られます。
まぁスノーボードを普及する立場のイントラが「特別」な滑りをしていたら、スノーボードは中々普及していかないですからね。
最後はちょっと余談ですが、今日のところはこの辺で。
今日のまとめ
・フリーランもカービングも基本的な考え方は同じ
・カービングでも「ズレ」て良い。ただ「ズレ」の量が少ないというだけ
・上級者は、ターン前半から「ズレ」を調整し、カービングのスピードをコントロールしている
・滑りの「質」を上げるためには、「一定」のスピードで滑れるように訓練する
・JSBAのイントラ検定では、「ズレ」のコントロールが試される試験
ということで、今日はこの辺で。
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