実は、「板の形状」によって乗り方が変わるって知っていましたか?何気なしに乗っているあなたの板がロッカーボードなら注意が必要です。キャンバーは「板をしならせるように」乗りますが、ロッカーボードは逆に「板をしならせないように」乗ります。同じスノーボードの板ですが、形状がことなるとその乗り方は全く異なります。今回は板の種類によって乗り方をどう変えるかをお話します。
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目次
■ロッカーとかキャンバーって何?
始めにロッカーとキャンバーの作りの違いを説明します(知ってる人は飛ばしてください)。ロッカーは英語で書くとrockerで、揺れ子や揺り軸という意味があります。なので、ロッカーボードの形状とは板のセンター部分だけが地面に接している弓形の形状をしています。一方で、一般的に多く普及しているのはキャンバーと言われる板は、センター部分が地面に接していない形状のものを言います。ちなみに英語で書くとcamberで意味は、上ぞり、かまぼこ形の意味があります。
今は量販店でもロッカーとキャンバーが混在して置いているので、気にせずロッカーに乗っている人もいると思います。通常、オールランドで使用されるボードはキャンバーボードです。レンタルの板はキャンバーボードが多いですが、一部のレンタルショップでは初心者のためにロッカーを採用しているところもあるようです。
初心者がターンができるまでの体の使い方は、ロッカーでもキャンバーでもそれほど変わりません。ただロッカーは板の中央が雪面に初めから接しているので、そこを支点に板を回旋しやすいです。そのため、初心者がターンができるまではローカーの方キャンバーより早い傾向にあります。キャンバーに比べてロッカーの方が「ターンはしやすい」というだけで、どちらの板もターンに必要な基本的な体の動きは変わりません。しかし、カービングターンとなると話が変わってきます。
■ロッカーボードはカービングターンができない?
「ロッカーボードだからカービングできないんだよー」
と、たまに耳にしますがそれはウソです。ロッカーボードでもカービングターンは出来ます。スノーボードの基本は角付けさえできればどんな板でもカービングはできるからです。板がどんな形状であれ、この基本原理は変わりません(サイドカーブが無くなれば話は別ですが、それは無いでしょう)。詳しくは、カービング初心者が最低限知っておきたい2つの要素とは?を見てください。
もし、ロッカーボードでカービングターンできずにいる人は「踏み込み過ぎている」可能性があります。ロッカーボードでカービングターンをするなら「踏み込んで」はだめです。特に踏み込むバランスが崩れると、ロッカーは逆弓なりの形状なので板の真ん中が支点となり、板が回ってきてしまいます。これがロッカーボードでよくあるズレの原因です。
■ロッカーに適したカービングターンの滑り方
ロッカーでカービングターンをするのに最も大切なことは「板をしならせないこと」です。そうです、ロッカーでカービングターンをしたいのなら板をしならせないこと、つまり踏み込まないことが大切です。
すでに逆弓形の形になっているロッカーボードは単純に板を立てればキャンバーよりもスムーズに曲がってくれます。そのため、キャンバーボードのように板をしならせるように「踏み込んで」しまうと先ほど言ったように板が回旋してきたり、曲がりすぎてしまいます。
特にグラトリ用で柔らかめの板の場合、踏み込んではだめです。ただでさえ、逆そり状態でエッジを傾ければカービングができるのに、さらに踏み込むと曲がりすぎます。
そこでロッカーボードでカービングをするのに大切な意識は「全てを板に委ねる」です。乗り手はややこしいことをしようとしてはだめです。ただただ、エッジを立てるだけで良いです。足首・膝などのローテーションも不要です。後ろ荷重も不要です。常に両足均等に荷重がかかっている状態をキープして下さい。
「板をしならせないで、板の全てを委ねる」
これをセッティングで補助することができます。いつもよりワイドスタンスにセッティングすると板がしなりにくくなってロッカーでもカービングしやすくなります。
ちなみにキャンバーボードで、単純に板をしならせたいのであればスタンスは狭いほうがいいです。なぜならその方が、板の真ん中に力をくわえやすいからです。ただし、ロッカーは先ほどから言ってますが「板をしならせてはいけない」ので、スタンスをいつもより広めにしてあげます。そうすることによってより板なりに滑ることができます。
■ロッカーでキレのあるカービングターンをするなら固めのフレックスがいい
ロッカーボードを使用してテク選でも上位に入賞している人もいます。松本卓さんは以前はロッカーに乗っていたそうです。(確かfreecsというDVDの中で語っていたと思います。)
ロッカーボードでありながらギンギンに板を立て滑る。ハードフレックスのロッカーボードならそれを実現できるわけです。いや、ロッカーボードでカービングを切っていきたい場合はハードフレックスでなければならないです。
「え?カービング用のロッカーはこんなに固いの?」
と思うくらいがちょうどいいです。遠心力は速度の2乗に比例して大きくなります。そのため、すでに逆弓なりの形状のロッカーボードで板に同調して滑るためには、キャンバーよりも固めのフレックスが必要になります。そうでなければ、自分が思うよりもしなってしまうため曲がりすぎてしまうんです。
特に脚力の自身のない女性ライダーでカービングをしたいという人は、この固めのロッカーボードを選択肢に入れるのも良いと思います。
■まとめ
ロッカーボードでもそのつくりにあった乗り方をしてあげることでキレキレのカービングターンをすることができます。ロッカーでカービングをしたいときはハードフレックスの板を選びましょう。
また、単純にロッカーボードというだけで毛嫌いしている基礎系の人はいると思います(私がそうでした。苦笑)。ですが、板の形状を理解してそれを活かす乗り方を覚えることによってあなたのスノーボードの滑りの幅は確実に広がります。
キャンバーやロッカーそれぞれの楽しさがあります。それらを経験して、じゃぁあなたはどっちのスタイルが好きなの?と、そうやって取捨選択していって本当のあなたのスタイルをみつけていくのが良いかなと私は思います。この記事があなたの滑りの幅を広げるお手伝いになれば幸いです。今日も最後まで読んでくれてありがとうございました。ではまた。
こんにちは!!
突然ですが質問させて頂きたくコメントさせて頂きます!
カービング練習中なのでワーミーバーというボードを買ってしまったのですがロッカーボードではカービング出来ないと色々な人に言われてしまいました。しかも、ソフトフレックスです…
ここのサイトでロッカーボードでもカービングできると知り安心しました!
ソフトフレックスのロッカーボードでもカービングはできますか??
また、ビンディングやブーツをハードにすることでカービングしやすくしたりなどはできますか??
まずカービングできるようになりたいんです!!
ご回答宜しくお願い致します!!!
はる。さん
ロッカーボードでもカービングはできます。
できますが、キャンバーボードのように板のしなりをつかってのカービングは難しいって感じです。
ただ、ソフトフレックスのロッカーだとより難しいですね。
できなくはないですが、キャンバーボードでのカービングの楽しみ方はできないかなぁと思います。
ビンディングやブーツだけをハードにすると、このケースだと逆にカービングしにくいと思います。
ロッカーボードのソフトフレックスでカービングするためには、「板をしならせない」ようにする必要があるので、ハードのマテエリアルにしてしまうと反応しすぎて板がしなりやすいので、カービングしにくくなります。
参考まで。