「ゲレンデの上から下までカービングしかしないけど、オススメある?」はい。そんなあなたはFCが良いです。 オガサカFCを車で例えると、どんな悪路でも平気な顔して走っていけるトヨタのランドクルーザーです。まるで重戦車です。笑 これに乗っただけで、ワンランク上のカービングを楽しめること間違いないです。ただし、いいことばかりではないです。重戦車は住専者のデメリットがあります。そんな重戦車FCの独断と偏見のレビューです。
目次
■OGASAKA FCの3つの魅力
■魅力その1. どんなバーンでも関係無しに滑れる「強さ」
まず始めにお伝えしたいのは、FCがその性能を最大限発揮するのは悪条件のときということです。正直、朝一の圧接されたバーンで気持ちよく滑るだけならOGASAKA CTで十分かなと思います。(私の主観です。笑)
冒頭でFCの例えにランドクルーザーを出しましたがにその通りで、ランドクルーザーがその威力を発揮するのはやはり悪路です。雪山でわだちがたくさんの場所だとか、岩でごつごつした道だとか。
OGASAKA FCもまさにそのままで、ゲレンデのバーン状況が悪いところでこそ、その性能の高さを感じることが出来ます。ナイターのカッチカチのアイスバーンだとか、シャバシャバででこぼこのバーンだとかで、このFCのスゴさがわかります。一度、悪条件でこのFCのポテンシャルの高さを体感したら他の板には乗れません。
OGASAKA FCにうたい文句をつけるとしたら
「ゲレンデのすべてのバーンが、FCのカービングフィールド。」
という感じです。
実はこれ、ランドクルーザーのうたい文句をそのまま借りました。笑 ランドクルーザーの場合は、「地球上の全ての道が、ランドクルーザーのフィールド。」という感じですけど。でも、実際にこのFCに乗ると本当にそんな感じがするんですよね。
どんなに荒れたバーンでも、どんなにカッチカッチのアイスバーンでも、どんなに急斜面でも、攻めのカービングができる。
「どけどけー!ここはおれが通る道だ!」と。
また、マイケルジョーダンの名言に次のようなものがあります。
「運命よ、そこをどけ。オレが通る」
少し大げさに聞こえるかもしれませんが、FCに乗ることであなたのカービングライフの運命を変えることになるかもしれない。それほどのポテンシャルを持っています。
滑る道は自分がつくる。そんな気概を感じる板です。
まず始めにFCの何が魅力的か?と聞かれたら間違いなく、この悪条件でのカービング性能を挙げます。
■魅力その2. ターンの捉えの早さ
そしてこのFCの突出すべきもう一つの点は、ターン前半の捉えの早さです。これは明らかにCTやASTERIAを凌駕します。ま、当たり前っちゃ当たり前なんですけど。というのも形状がセミハンマーと言われる形状でノーズの捉えを早くできるようにしているからです。
例えば、ターン前半で転んでしまう原因は、ノーズに体重をかけ過ぎているということが言えます。しかし、このFCはラウンドボードでそういったミスをしてしまう人でも、FCに乗るだけでそのミスが無くなります。もちろん完全に無くなるわけじゃないですけど、圧倒的にターン前半で転びにくくなります。
それはこのFCのセミハンマーと言う形状の影響が大きいと思います。ターン前半の捉えが早いから、ノーズに過荷重になるまえに板が走ってくれる。なのでターン前半でのノーズに荷重し過ぎてしまうミスが少なくなりやすいんです。
CTではあまりにターン前半からノーズに加重しすぎると単純に転ぶか、バランスを崩します。しかしFCは、逆にそういった乗り方を求められている。つまり、FCの乗り方としてターン前半から積極的にノーズで捉える意識を持った方が良いということです。
FCはセミハンマーという形状のため、FCの滑りのイメージは「ターン前半からがっつり捉えてそれを維持しながらターン後半のキレを繋げる」。そんなイメージです。
「じゃぁ、セミハンマーじゃなくてハンマー形状にしたらもっとターン前半の捉えが早いんじゃ無いの?」
確かに、「捉えの早さ」だけで言ったらセミハンマーよりハンマーの方が早いと思います。しかし、この「セミハンマー」という形状がFCのいやOGASAKAがカービングに対する「想い」だと私は勝手に考えています。笑
■魅力魅力その3. セミハンマーだから出来る「キレ」と「ズレ」の絶妙な融合
そう、このセミハンマーという形状がカービングのキレとズレを絶妙にマッチさせているです。「カービングはフルカーブしてナンボ」と思っている方もいるかもしれないですが、カッチカチのバーンでフルカーブなんてしたら、ほとんどが「暴走」になりかねないです。カービングは「キレ」だけでなく、いかに「ズレ」をコントロールするかです。(カービングのキレとズレについては、カービングターンとは?よくある3つの誤解を見てください)
FCの「ズレのコントロールのしやすさ」を体感したことの一つに、コブでの滑りやすさがあります。なんとFCでも普通にコブが滑れます。笑 コブを滑る時に重要なことは、いかにしてズラすかが大切です。当たり前ですが、コブ斜面をフルカーブする人はいません。
「FCでコブが滑れるの?」
と思うかもしれませんが、FCでコブも滑れます。それも普通に。笑 これにはビックリしました。
この板を試乗したのが3月下旬頃です。雪もシャバシャバになるこの時期は、多くのゲレンデでコブ斜面がつくられます。ちょうど、今シーズンからコブにチャレンジしてた私はOGASAKA CT156で練習してた頃でした。「ある程度のコブなら滑れるかな」そんなスキルの時です。FCを試乗できると聞いて、せっせと板を借りたんです。
そのときの板がOGASAKA FC160です。FCで、しかも私のボードより4cmも長い板でした。そのときはこう思っていました。「ただでさえ、セミハンマーでCTより捉えが早いのに、4cmも長いんじゃコブは厳しいかなぁ」と。
しかし、いざコブ斜面に入ってみると
「ん?あれ?お?よ?・・・・・これ普通にコブ滑れるじゃん!」
でした。笑 自分でも笑えるほど滑りやすかったです。これは確実にハンマー形状を採用していなくセミハンマーの形状のメリットが活きたケースだと思います。
■OGASAKA FCのデメリット
ここまでFCの魅力ばかりお伝えしてきましたので、私が感じるFCのデメリットについて話します。これだけカービングに突出してたら、やはりデメリットもありますね。
■デメリット1. スイッチしたときの滑りにくさ
これはしょうがない部分がありますね。やはりカービングを極めようと思ったらメインで滑る方向を限定する必要があります。なので、スイッチしたときの違和感は拭いきれないです。
具体的には、スイッチしたときにはターン後半でテールがひっかかります。なかなかテールがぬけてくれないんです。なので、ターンする度にいちいち「あれ?まだひっかかってる」と感じてしまいます。
これはセットバックもCTよりも1cm程度大きく、さらにサイドカーブもノーズとテールで違うことが原因です。メインの方向で滑る分にはこのサイドカーブの違いが「抜けの良さ」を実現してくれています。しかし、ひとたびスイッチで滑るとそれがデメリットに変わってしまうんですね。
■デメリット2. グラトリのしにくさ
オーリー、ノーリーをするときにはやはり固さを感じずにはいられません。単純に板の重要もCTやASTERIAに比べるとありますから、それだけでもグラトリはしにくいです。もちろん「FCだと全くグラトリができない」というわけではないです。ただ、「CTやASTERIAに比べると遥かにグラトリはしにくい」です。はっきり言いますけど、はるかにグラトリはしにくいです。FCでグラトリをしてて楽しくないです。笑 ASTERIAのときはあんなに楽しくグラトリが出来ていたのに板を変えただけでこんなに楽しくなくなるものかと思います。笑
なので、FCにグラトリの楽しさを求めてはダメです。
例えるなら、HONDAのFITにスポーツカー並みの走行性能を求めるようなものです。道具には道具にあった使い方があるということです。
■まとめ
ということでOGASAKA FCの3つの魅力と2つのデメリットのお話をしました。FCは悪条件でこそその性能を発揮します。どんなバーンでもターン前半のとらえは早いですし、かつ「ズレ」を適切に使うこともできる。FCに乗るのに朝一の圧接バーンだけではその性能の全てを体験することは難しいと思います。朝一の圧接されたバーンで気持ちよく滑るだけならOGASAKA CTで十分かなと思います。しかし、「アイスバーンでもキレキレのカービングがしたい」とか「雪質関係なくゲレンデを切り裂きたい」とか思う人はCTではなくFCが良いと思います。今日も最後まで読んでくれてありがとうございます。ではまた。
ドルフィンターンやリバースターンもやりずらいですか?
やまーきさん
脚力にもよりますが、ぼくはやりずらいです・・・。
ただリバースターンはそこまでやりづらさはないかと。