OGASAKA FC-XのメーカーIMPRESSIONに騙されるな!

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「とにかく値段が高ければ良い板でしょ?だったら値段の高いOGASAKA FC-Xにしよーっと」そんなミーハーな考えでこの板にのると怪我をします。

FC-Xは完全に乗り手を選びます。FC-Xを乗りこなせる人の技量は最低でA級インストラクターの技量の持ち主だと私は思っています。

FCとFC-Xは全く違う板です。Xが付くだけですけど、セミハンマーの形状も板の構造もサイドカーブ径も雪接長も有効エッジもトーションもフレックスも乗り手に求められるスキルも、全く異なります。

厳しい言い方をすれば、もしあなたが板選びでFCとFC-Xとで「悩む」程度の実力であれば、FC-Xに乗る資格はないと思います。今回はちょっと厳しめのレビューです。

「私はFC-Xで無ければダメだ」と明確に理由を言える人以外は、乗るべきではないと思います。このボードは安易にお勧めすることができない板です。

なぜか?

中途半端な実力の人が乗っても怪我をするだけだからです。「ボードの違いで怪我?」と思うかもしれませんが、これは乗れば分かります。危ないです。カービングを覚えたての人は適度なフレックス・トーションのあるOGASAKA CTがベストです(詳しくは、OGASAKA CTはカービングスキルを向上させたい人におすすめを読んでみてください)。

FC-Xで怪我をする?

カービング初心者がこのFC-Xに乗ったら、制御することは厳しいと思います。なので制御不能で怪我する可能性すらあります。

良い風に言うと「自ら働きかければそれに応じて自由自在なターン弧を作れる板」ですが、

悪い風に言うと「板に自ら働きかけないとタダのじゃじゃ馬」です。

なぜFC-Xはコントロールするのが難しいのか?

それは3つの要素が絡んでいます。「フレックスの固さ」「トーションの固さ」「サイドカーブの大きさ」です。

カービングターンをするには角付けさえすれば何もしなくても滑れるという性質があります(詳しくはカービング初心者が最低限知っておきたい2つの要素とは?を読んでみてください。)。

そして角付けの方法として皆さんが自然とやっているのが「トーション(板のねじれ)」を使った角付けの方法です。前ひざをターン内側にひねり入れることによって板がねじれて結果としてターンのとらえができます。これは目線を先行してあげれば自然とひざも動くので多かれ少なかれ、みなさんやっていることです。

しかし、FC-Xはそのトーションを使うにはとても高い技量が必要です。なので、今までのミドルフレックス以下の板に乗っている人がこのFC-Xに乗ったら、全然曲がれません。いままでと同じような体の使い方をしたらいつまでたってもターン前半の谷回りを作ることはできずに、ただただ板が落下していくだけになります。さらに、それを助長するかのように「サイドカーブの大きさ」も影響してきます。カービングターン入門者はたいていそれほど大きくないサイドカーブが設定されます。OGASAKAで比べてみましょう。

種類 サイドカーブ
OGASAKA CT-M153 8.4m
OGASAKA CT154  8.5m-8.2m-8.5m
OGASAKA FC154 8.1m-7.7m
OGASAKA FC-X154 9.3m-10.2m-10.8m

(参照:http://www.ogasaka-snowboard.com/snowboard.html

(*サイドカーブが複数あるのはノーズ、中央、テールでサイドカーブが違うため)

CTのサイドカーブは8.2mに対してFC-Xの中央のサイドカーブが10.2mもあります。単純に同じ角付けの量だとしたら、CTは半径8.2mのターン弧なのに対して、FC-Xは10.2mもの大きなターン弧になります。ただでさえ固いFC-XをCTと同程度のターン弧で滑るとしたら、よほどのターン技術がないとできないことはわかってもらえると思います。

なのでCTでカービングできるからと言って、安易にFC-Xに乗り換えると、ターン弧がやたら大きくなって自分でスピードのコントロールをすることができなくなります。結果として自分で制御できる範囲を超えやすく、怪我をするリスクが高まります。

また、フレックスもFCと比べてFC-Xは段違いに固いので、しならせることが難しいです。低速でしならせることはまずムリです。外力(主に遠心力)を巧みに利用して、板に働きかける必要があります。遠心力は速度の二乗に比例して大きくなるため、FC-Xを有効に使うための速度域は自然と高いものになります。

メーカーのIMPRESSIONに騙されるな!

これを言っちゃうとスポンサーについてくれなくなるんで言いたくないんですけど(笑)、メーカーのIMPRESSIONを信じてはダメです。良いことしか書いてないというのと、ライダーの実力が高すぎるので、私たち一般人には参考にならないんです。では、実際にIMPRESSIONを抜粋して見てみましょう。

・始めて乗ったときの印象は「すごくマイルド」、今までに無いしなやかさと操作性の向上。

・ターン初期からボードがたわみ、後半では溜まった圧で発射するかのような抜けの良さを体感できました。

 (山口貴史氏 参照http://www.ogasaka-snowboard.com/14-15-fc-x.html

この2文を読んだけだと、

「へぇー、FC-Xは結構乗りやすい板なんだぁ。」

と、感じるかもしれませんが私の乗った印象では、FC-Xは全然マイルドなイメージではないです。しなやかでもないです。マイルドでしなやかという言葉合っているのは、私の中では断然OGASAKA CTの方です。

そして、2文目で「ターン初期でボードがたわみ」と書いてありますが、私を含めた一般のライダーはFC-Xをターン初期からたわませることはできません。それができたらA級イントラの試験で加点がもらえます。私自身A級イントラを取ったばかりのペーペーですので、そのスキルがないだけなのかもしれませんが、少なくとも私にはこのFC-Xをターン初期からたわませて「キレ」を出すことはできません。

あと、14-15シーズンからモデルチェンジしているのでIMPRESSIONも以前のボードとの比較でこのFC-Xが良い板であることを言っています。この辺りは少し誤解をしやすいと思うので私なりの意見を書きます。

・今までのFC-Xは”ガツン”と雪面を捉え、ノーズが内側に食い込みやすかったが、新型モデルはターンの侵入がスムーズで自分自身のボードの働きかけによって、思い描いたターン弧を作れるようになった。

 (中本優子氏 参照http://www.ogasaka-snowboard.com/14-15-fc-x.html

単純にこの文章を読むだけだと、

「へー、思い描いたターン弧を作れるんだー」

となるかもしれませんが、私を含めた一般人にはムリです。

はっきり、言います。私を含めた一般人にはFC-Xで思い描いたターン弧を作るのはムリです。

そもそもあなたはボードへの働きかけをきちんと出来ていますか?板をたわませてカービングができているとはっきりと言えますか?そうでない人にとっては無縁の板です。それほどハイエンドクラスのモデルです。

このIMPRESSIONを書いている中本優子さんは、テクニカル選手権で6連覇した達人中の達人ですから、「ボードへの働きかけ」がうまくて当たり前です。その働きかけができて、始めてターン弧の調整ができるわけです。

それでもFC-Xに乗りたい人へ

これまで言ったことはあくまで私の主観です。ですので、ここからはFC-Xに乗りたい人向けのアドバイスです。

まず、マテリアルが固めの物か確認しましょう。FC-Xはかなり固い板ですので、ビンディングやブーツも固めにする必要があります。そうしないと、板へ力を加えたときにロスが大きくなります。

例えば、ビンディングがグラトリ用の柔らかめのものをつけていて、トーションを使おうと前足をひねったとしてもまずはじめにビンディングがねじれます。ビンディングがねじれてねじれてねじれます。苦笑 いつまでたっても板がねじれることはありません。。。そうなると暴走するのは目に見えていますよね。いつまでたっても角付けが出来ないので。。

これが固めのビンディングだとねじった瞬間に、その力がダイレクトに板に加わってエッジが立って雪面を捉えるのが早くなります。そのため板への働きかけもビンディングが固い方がしやすいです。

ブーツも同様に理由で固めのものをチョイスしましょう。どれくらい固めかと言うと、最低でもDEELUXEのVICOUS以上かなと思います。DEELUXEはEMPIREというフラッグシップモデルがありますが、FC-Xを使う場合は少し柔らかいと思います。

このようにメタルが入っている板を使うときはビンディングやブーツなどのマテリアルにも気をつけましょう。

ただ、固めのものをチョイスするので、滑りった感じはかなりクイックな反応になると思います。少し体重を移動しただけでも板が反応するような・・・。

なので、この板を始めて滑る人は徐々にスピードを上げるようにした方が良いと思います。一つの判断材料として、「いつでも止まれる速度を上げる」ということを意識して練習するようにしてみてください。それが結果的にカービングのエッジグリップの向上にもつながりますし、なにより安全に上達できますので。 

■まとめ

OGASAKA FC-Xはかなり乗り手を選ぶ板だと私は思っています。購入を検討している方は、試乗してから購入を決断するのが良いと思います。

購入する場合は併せてビンディングやブーツといったマテリアルが固めなのかに気をつけてください。

そして、いざゲレンデで滑るときも、安全に気をつけて滑るのが良いと思います。怪我をしたら楽しいスノーボードライフが台無しになってしまいますので。

本文では色々と否定的なことも言いましたが、結局は判断するのは私ではなくあなたなので、あなたが楽しいと思える板に乗るのが一番です^^

そして、最後に・・・・この板のポテンシャルは私には計り知れないところにある、ということだけ言って終わりの言葉にしたいと思います。今日も最後まで読んでくれてありがとうございます。ではまた。

 

オガサカ系のスノーボードのレビューはこちらです。どれも「参考になった!」とご好評いただいています。

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