10人中8人が知らないカービングターンの目線の秘密

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あなたはヒールサイドで「ガガガッ」とズレることはありませんか?それは「目線」を変えれば解決できる可能性があります。自転車では遠くを見るようにとアドバイスするのに、スノーボードになった途端忘れていませんか?今一度、スノーボードの視線について考えてみましょう。

photo credit: Powder via photopin (license)

 

用語の説明

まずはじめにこれから出てくる用語の説明です。この記事だけでなく今後もこのブログでは頻繁に出てくる用語ですのでチェックしておいてください。

スノーボード用語説明

図1.  スノーボード用語説明

  • 山側:山頂側
  • 谷側:ふもと側
  • 谷回り:主にターンの前半部分のこと。谷側へ向かうことから谷回りと言う。
  • 山回り:主にターンの後半部分のこと。山側へ向かうことから谷回りと言う。
  • ターンピーク:ターンの中盤で、ターン中の斜度が一番キツくなるところ。別名フォールライン。
  • 切り替えポイント:山回りと谷回りが切り替わるところ。山側エッジから谷側エッジへ切り替わるポイント

不安定さがより不安定さを生む?

カービングターンを覚えたての人に良くあるミスが、ヒールサイドの後半で目線が谷側を向いてしまうことです。進む方向とあなたの目線が合っていないんです。例えるなら、自転車で横を向きながら走っているようなものです。それでスピードを出すなんて想像しただけでも怖いですね。

とは言うものの、斜度が急になったりアイスバーンだったりするとどうしても目線を固定するなと言っても難しいかもしれません。

私自身もそういったときはあります。すると「ガガガッ」という音とともに板がズレるのがわかります。一度ヒールサイドでこの現象になると通常でしたら、より踏ん張って安定させようとします。これが悪循環の始まりです。

本来だったら目線を進む方向に流して上がるだけで解決するものを、力むことで体と目線がより固まってしまってカービングとはほど遠くなっていきます。

さらにヒールサイドで踏ん張る姿勢は実はエッジが寝やすいんです(詳しくは基本姿勢の記事で)。言い換えると、踏ん張る姿勢は角付けが浅くなりやすいんです。そうなるとカービングターンをしようと頑張れば頑張るほどカービングターンができなくなってきます。

スノーボード ヒールサイドのズレ

では、どうすればいいのでしょうか?

対策は、ヒールサイドのズレ防止には、常に視線を進行方向に向けるようにします。

板は、あなたが向いている方向に進もうとします。その向いている方向と板の先(ノーズ)の向きが合っていない場合は、ズレとなりカービングになりません(参照:カービングターンとは?よくある3つの誤解)。

スノーボード ヒールサイド目線

今回のヒールサイドの「ガガガッ」というズレの場合は特に目線を送るようにしてください。そうすると結果として自然なローテーションが体に加わることによって板が勝手に進んでいきます。

ムリに状態をひねろうとしなくて良いです。むしろひねってはダメです。最初のうちは角付けと目線だけでカービングができることを徹底的に体にしみ込ませてください。

そして、ここでのポイントは顔全体で見るようにすることです。どういうことかというと、横目でうっすら見てるのを見てるとは言いませんということです。

例えるなら、人の話をしっかりと聞くときと似てますね。相手が真剣な話をするときに、横目で見たりしないですよね(よほど嫌いな相手でない限り。苦笑)。相手が真剣だったり真面目な話であればあるほど、顔ごと相手の方を向けて話を聞くと思います。これは大好きな恋人の話を聞くときでもいいですよ。大切な人の話を聞くときでもいいです。

なので、常に板の前方向から大切な人に呼ばれていると思って顔ごと進んでいく方向を向くようにしてください。

この意識を持つだけでヒールサイドの安定度はかなり向上します。実際に教えていてもこれだけでターンの質が全然変わります。これはいわば実績アリの方法です。

ターンの「始め」と「終わり」の考え方

ヒールサイドの「ガガガッ」というズレは目線で解消できるというお話をしましたが、今度はもう少し高度なお話で自由自在なターン弧を描くのに必要な目線の使い方」についてお話しします。

自由自在なターン弧ということは、自分が思ったラインを自分の意思で描くことができるということです。特に、バッジテストなど受ける人にとって、とっても役立つ情報もありますのでしばらく読み進めてください。バッジテストではゴールまでターン数に指定があるわけですから、どのようなラインで滑るかは重要になってきます。

では、本題に入っていきます。

あなたはターンの始めと終わりをどの位置で考えていますか?

切り替えから切り替えまでの意識、つまり「C」の意識ですか?

それとも、ヒールサイドターンとトゥーサイドターンの二つを合わせてた「S」の意識ですか?

(これからお伝えする目線の話はターンがすでに出来る人に限ります。ターンがおぼつかない人がこの意識を持ってもうまくなりません。。。その理由も追って説明していきます。)

始めに答えを言いますと、横Sの意識です。

ターンピークをターンの始めとし、次のターンピークまでを終わりとして、その間を一つの意識でつなげます。

なので、目線はターンピークに来たら次のターンピークを見るようにしてください。これが今回最もお伝えしたいことです。

ターンの意識

図2.  ターンの意識は「横S」がベスト

 

 

ただし、スノーボード初心者の方は「C」の意識が良いです。

なぜか?ターン初心者はまずはしっかりと止まったり減速したりする必要があるからです。まずはしっかりと止まって、そして前足に体重を移動させてターンする。そしてまたしっかりと両足で停止する。これを繰り返すことで、スムーズなターンにつながっていきます。

ターンの覚えたての方は何よりもしっかりと止まることやしっかりと減速する意識をもつ必要があります。そのためには「C」の意識がとても有効です。

しかし、それはあくまでターン初心者のケース。これからカービングをやりたいと思う人にとってはあまり良い意識とは言えません。なぜなら、「C」の意識では切り替えで体の動きが止まりやすいからです。先ほども言いましたが、「C」の意識はしっかりと減速するためには有効な方法です。

しかし、カービングターンではなるべく減速要素は減らしていくべきです。なのでこの「C」の意識だと減速要素がターン後半の山回りに集中しやすく、結果としてスムーズな切り替えを行うことは難しくなってしまいます。

「ふふん♩知ってる♩ターンは”Sの意識”が良いんでしょ。」

確かに、Cよりは流れのあるターンが出来ると思いますが、結局はターンに「つなぎ」部分がいつかは出来てしまいます。というのも「S」の意識は、結局は「S」を繋げていくという意識にすぎないからです。「S」と「S」のつなぎ目の切り替えは結局さきほど言った「C」の意識と同じになってしまいます。また、カービング初心者がターン中ずっと2手先のターンのことを頭に入れながら滑るのは難しいです。

 

なので、今回お勧めするのは「横S」の意識です。

具体的にはターンピークをターンのスタートとして、次のターンピークをゴールとする方法です。目線も同じようにタンピークに来たら次のターンピークを見るようにする。

そうすると、切り替えの意識は・・・・?ほとんど必要でなくなりますよね。それがいいんです。この「横S」の意識の場合、切り替えは次のターンピークまでの途中にすぎないという考え方です。だから切り替えをムリに意識する必要が無い。ムリに意識しないからスムーズな切り替えができるんです。

ここでスノーボードに詳しい方は

「え?クロスオーバーは必要ないの?」

と思うかもしれません。

クロスオーバーとは重心がが山側から谷側に切り替わることをいいます。

私は、少なくともカービング初心者にはクロスオーバーと言う表現で、ムリに体軸を入れ替える意識をさせる必要は無いと思っています。なぜなら、目線である程度のカービングターンはできてしまうからです。

もちろんよりハイスピードなカービングターンがしたいという方や素早い切り替えがしたいという方にとってはクロスオーバーをいかに素早く行うかは大切なスキルです。

しかし、そのクロスオーバーの”意識”が”カービング初心者”にとっても必要かというと、私は違うと思うのです。

クロスオーバーつまり重心の谷方向への移動はカービングターンをする上で必要ですが、それをあえて意識させる必要はないと思うのです。

というのも、私はこの「横S」の意識でA級イントラのロングターンは望んでいて、それで合格点をもらっています。ロングターンの場合は、無理にクロスオーバーの意識は持っていないです。(ショートターンはクロスオーバーの意識は持ってますが、その話は後ほど。。。)

クロスオーバーの意識が強い方は、「クロスオーバーをしなくては!」と力むあまり、それが切り替えでもたついてしまったり、動きが止まりやすいと感じています。

ちらっと検定の話になったのでついでに細かいことを言いますと、これからバッジテストやインストラクター検定を受けようと思っている方「上下動もターンピークからターンピーク」で考えるようにしてみてください。

どういうことかと言うと、ターンピークで沈み込みのピークを持ってくるようにして、切り替えで立ち上がりピークにして、次のターンピークでまた沈み込みのピークを持ってくる。この一連の流れを常に意識捨て滑ってみてください。そうすると切り替えもスムーズで途切れの無い上下動の動きも表現できるようになります。これは検定を受けられる方にオススメの方法です。

話が逸れましたね。目線は、常に次のターンピークを見るようにすると流れるようなターンができるというお話でしたね。次の動画を見てください。実際のターン中の目線をコマ送りにして表してみましたので確認してみてください。

スノーボード 目線gif

ヒールサイドのターンピークをスタートとして、スタート時にすでにトゥーサイドのターンピークを見ています。そして、エッジが切り替わったら徐々に次のターンピークを見るようにして、トゥーサイドのターンピークが来たら、次のターンつまりヒールサイドのターンピークをもう見てます。

このようにターンピークにくる前に、次のピークを見るようにする理由は、スピードが出てくるとターンピークに来てから次のターンピークを見るようでは遅いからです。

なのでターンピークの少し前あたりから目線を次のターンピークにもっていくようします。

ただし、これはスピードが出てきたら必要というだけで、最初からは必ずしも必要ということではありません。最初からいくつもやろうと意識すると、何がなんだからわからなくなるケースが多いので、

始めのうちは「ターンピークにきたら次のターンピークを見る」という意識だけでOKです。こうすることによって、切り替えのもたつきが無くなり、スムーズなカービングになっていきます。

自由自在に滑るための目線の話

さぁ、ではなぜ「横S」の意識が「自由自在なターン」に繋がるのでしょうか?この章で、「C」の意識では自由自在にターンを描くことは難しく、「横S」の意識が「自由自在のターン」をするのには必要ということが分かると思います。

下の画像を見てください。

カービングターン目線2

まず、左が通常のターン弧だとします。

このターン弧を横長にしたいときは・・・?

ターンピークのときの目線を横方向に伸ばします。単純にそれだけでターン弧の横幅の調整が可能です。どこに次のターンピークを置くのかと考えながら滑るようにしてください。

そして、今度はターン弧を縦長にしたい時は・・・?

これもやり方は一緒でターンピークに来た時に、次のターンピークの位置をより谷方向の位置に置いて見てあげるだけで良いんです。これら二つを組み合わせると、どんなターン弧でも作れます。

これが「C」の意識だったらどうでしょうか?

ターン中盤をどこにするかを明確にしていないため、ターン弧の調整を正確におこなうことは難しいと思います。ですが「横S」でターンピークを常に見続ける意識を持つことによって、あなたの中で明確なターン弧のイメージが湧くと思います。

そのラインで滑れるかはスキルによって変わりますが、まずは明確なターン弧のイメージ(つまりどこにターンピークを置くかのイメージ)をつくることがスノーボード上達に必要になってきます。

検定への応用

検定を受ける人は、このスキルを応用することができます。

バッジテスト1級やインストラクター検定などは、ターン数が4ターンと規定があります(バッジテスト2級は4~5ターン)。そのターン数で滑りきるのは当たり前でその上で均一なターン弧であることが求められます。

そう言った時にむやみやたらに滑り出してもそれは博打と一緒です。運良く4ターンで滑れればいいですが、そんな賭けのような滑りはお勧めしません。かといってスタートからゴールまでの滑りを全てトレースして滑るなんて高度な技術を一朝一夕では身に付きません。

ではどうしたらいいか。

それはターンピークの場所だけ考えるんです。

つまり自分が滑る4カ所のターンピークだけ頭の中に入れる。

スノーボード 目線3

ターンピークのみ意識する

どうですか?これならすぐにでも出来そうな気がしませんか?私はこの目線の使い方を検定のときに使っていました。おかげでA級イントラになるまでの全ての検定のロングターンで合格点をもらうことができました。

ただし、、、そんな毎回うまく行くとも限りません。。。

当たり前ですが、意外に雪質がしゃばしゃばしてるとか、アイスバーンでエッジがかまないとかで自分が行きたいターンピークに到達できないこともあります。

そうした場合は、次のターンピークをその都度変更していけば大丈夫です。

例えば、このように演技前半で勢い余って滑り降り過ぎても、落ち着いて次のターンピークをどこに設定すれば良いかを考えて滑ることで十分にリカバリ可能です。

演技前半に大きなターンをし過ぎたケース。延喜後半のターンピークを調整して対応する。

演技前半に大きなターンをし過ぎたケース。延喜後半のターンピークを調整して対応する。

このケースでは、ジャッジが下から見てることが影響してそれほど減点がない場合があります。演技前半はジャッジから見て遠くです。当たり前ですが、遠くのものは小さく見えるますよね。

よくアイドル同士が写真撮影のエピソードでライバルより顔を少し後ろにズラして撮るなんて聞きますが、それと同じ原理です。笑 

なので、演技前半は多少ターンが大きくても「見える側」からしたらそこまで大きく感じません。なので、もしかりに「あ、ターンが大きすぎた」と思っても諦めること無く、次のターンピークを設定する場所を冷静に考えて、必ず4ターンで終わるように演技してください。

4ターンでなかった時点で減点は免れませんが、4ターンで滑りきれさえすれば可能性は残っています。

また、この逆の場合でも対応可能です。どういうことかというと、演技前半に小さなターン弧で仕上げすぎて、演技後半にスペースが空いてしまった場合です。そんな場合でも、演技後半の視線をより谷方向へむけてあげれば、ターンの横幅は変えること無く滑り降りることが可能です。そうすることで減点されにくくなります。

演技後半にだいぶ距離ができてしまった場合。

演技後半にだいぶ距離ができてしまった場合。

そして、検定でのポイントはターンの横幅を揃えることです。もちろん4ターン全てを均一のターン弧で滑れるならそれにこしたことはありません。ただ、それが難しいのであれば少なくともターンの横幅は均一になるようにターンピークを設定してください。

ジャッジの目線からは左右方向のズレは敏感に察知することが出来ますが、奥行はそれほどでもありません。これは人間が奥行きの把握能力があまり高くないからです。ジャッジからの目線も考慮にいれて最後まで諦めないことが大切です。

このように目線一つで滑りの幅は大きく広がります。

まとめ

目線を「横S」の意識に変えてターンピークを見続けるようにすると、ヒールサイドのズレの解消になったり、切り替えがスムーズになって滑りの安定度が増します。また、ターン弧の調整も次のターンピークをどこに設定するかだけなので、とても簡単になります。そのため、検定を受ける方は特に習得しておきたいスキルです。今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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