「グラトリをやりたいんだけどツインチップが、いいの?」という質問を受けることが多いのですが、私の答えとしてはグラトリをやるのにツインチップである必要は無いです。
もし滑る比率がレギュラー8割に対してフェイキーが2割程度だったらディレクショナルツインで十分です。なぜなら、滑りの基本はレギュラーにあるからです。特にカービング中にトリックをしたいという方は、カービングスキルを磨くと言う意味でもディレクショナルツインの方がおすすめです。
ということで本題に入ります。
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■「グラトリやるならツインチップでしょ」という誤解
「グラトリをしたいからツインチップが良い!」
そういう話はよく聞きます。確かにツインチップであれば、グラトリはやりやすいのは確かです。ツインチップは板の重心が真ん中にあるので、回転がスムーズに行えるからです。
また、グラトリではフェイキー(逆向き)でも滑るため、どちらでも同じ感覚で滑れるツインチップが良いという話も聞きますが、あなたはそこまでフェイキーで滑りますか?2、3ターンしかフェイキーで滑らないのであればディレクショナルツインで十分です。(板の形状は前後同じで、重心はすこし後に配置されてる板)
カービング中にグラトリをするのであれば、むしろディレクショナルツインの方が、本来の(レギュラー方向の)滑りが安定するので向いています!
カービング中にトリックをするときに大切なのは「足場の確保」です。その足場を確保しやすいのは安定して滑れるディレクショナルツインです。
私自身、ディレクショナルツインの板(OGASAKA CT)に乗っていますが、グラトリ・ジブ・キッカー・フリーランの全てをこの一本でこなします。また、このディレクショナルツインの板でスイッチも滑りますが、全然違和感を感じなく滑れます。最初に、この板でスイッチで滑ったときの、「普通さ」に驚いたのを今でも覚えています。笑
なので、ディレクショナルツインでもスイッチは余裕で滑れます。
グラトリでは板の重心バランスが中心にあると良いという話も聞きますが、それは高回転技をやる場合のみ必要だと思います。2回転以上(720°以上)の技をやる場合は、さすがに重心がセンターにあった方が良いと思いますが、ただなんとなくグラトリをやりたいからといってツインチップである必要はないです。
■あなたのしたいグラトリによって板の種類は変わる
もしあなたが「カービング中にトリックをしたい!」というのであれば、ツインチップよりもディレクショナルツインチップの方が断然おすすめです。なぜなら、ツインチップはひとたびカービングとなるとノーズ荷重になりやすいというデメリットもあります。ディレクショナルツインは1cm~1.5cm板の重心がテールに寄っています。たったこれだけのオフセットですが、滑りやすさは全然変わります。
当たり前ですが、カービング中にトリックをするにはカービングスキルは必須です。そう考えると、まずはディレクショナルツインでしっかりとカービングスキルを上達させるのが上達への近道だと私は思います。
なので、どんなグラトリをするかによって適切な板は変わるということです。
単純に、
グラトリが流行ってるから~
クルクルしたい~
という理由だけで、ソフトフレックスのツインチップかつロッカーボードを選んだらカービング中のトリックはとてもやりにくいです。
正直、以下の動画のような「カービング&トリック」をしたいという人は、普通にカービング向きの板を買った方がいいです。
動画で滑っているライダーの方も、ミドルフレックス以上の固さでかつカービングに向いている板に乗っています。
最初に滑っている山口 貴史さんはOGASAKAのASTERIAというツインチップですがミドルフレックスでキャンバーの板です。元々OGASAKAはカービングに定評のあるメーカーでこのASTERIAは同メーカーで唯一のツインチップモデルです。この板は高反発でグラトリもカービングもできるマジックボードです。
OGASAKA ASTERIAについてはコチラに詳しく書いてあるので見てください。私がOGASAKA ASTERIAを買わないたった一つの理由
二番目の岡部力さんはGRAY SNOWBOARDのDESPERARDOというハンマーヘッドの板でグラトリをしています(メタル入りかどうかはちょっとわかりません。。)。カービングを本気でやるときとトリックを織り交ぜる時とで板の長さは変えているみたいです(滑走面のメーカーマークの色の違いで長さが変わります)。
グラトリでもカービングボードと同じ形状のものを選ぶと感覚にズレが少なくなるのでいいのかもしれません。
このようにカービング中にグラトリを織り交ぜるのであれば、ミドルフレックス以上のキャンバーボードが良いです。キャンバーは弓なりの形状のため、高速域でもしっかりと板からの反発がもらえます。
しかしあなたが、「ソフトフレックス・ツインチップ・ロッカー」の三条件の板を手に入れて動画のようなカービング中にトリックをしようと思ったら悲劇以外の何ものでもないです。
それは、私が経験したから言えます。
昨シーズン(14-15シーズン)にお試しでNITRO DEMANDという超ソフトフレックス、ツイン、ロッカーという上記三条件を満たした板を買ってみました。
最近、初心者でこのような板に乗る人が増えているので市場調査をかねてという意味と3万円弱というすばらしい安さから買ってみたんです。どんなに安い板でも新しく手に入れた板で始めて滑るときはウキウキです。
ですが、カービング&トリックをしてた途端・・・・
「・・・・・・・こわっ!!あぶなっ!!!」
と感じました。
- カービンング&トリックで必要な板の反発が全く来ない。。
- カービング中にノーリーをしようと思っても「ぬるん」という感覚。。
- むしろ、危ない。。怪我する。。
通常のキャンバー・ミドルフレックス・ディレクショナルツインだと適度な反発があって、技を仕掛ける時に重心移動すればすぐさま反発として返ってきます。が、このNITRO DEMANDは全然返ってこない。苦笑 おそるおそる重心移動をするしかなかったです。明からに、ノーリーがうまくできる「幅」は少ない板です。
そして、仮にうまく出来たとしてもロッカーという形状から「回転を止めるのが難しい」んです。キャンバーならエッジワークですぐに回転を止められたのがこのロッカーだと板の中央が雪面に接しているためコマのように回ってしまいます。
それがこの板のメリットでもありデメリットでもあります。
カービングという高速域の中では明らかにデメリットに変わります。回転は自分で思うように止めて、次のターンに移行したいからです。なので、あなたのグラトリのスタイルによって適切な板は変わります。
カービング中にトリックをしたいのであればグラトリ用のロッカーボードよりも、普通にカービング用のミドルフレックス以上の板の方が断然いいです。
■カービング中にグラトリをするのに向いている板
まず最初にお勧めしたいのはOGASAKA ASTERIAです。オーソドックスなカービング&トリックをするならこれが最高にいいです。例えば、1km程度あるゲレンデでも最初から最後までカービングしながらグラトリをしていけます。笑
というか、カービングとグラトリを交互にせずにはいられないボードです。それほどカービング&トリックの相性が良い板です。
カービングで板を走らせる楽しみも、カービング中のグラトリで反発をもらう楽しみも両方を満たしてくれます。
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「急斜面でもトリックをガンガン入れたい!」
という強者は、GRAY SNOWBOARDのDESPERADOが良いと思います。急斜面でもトリックを入れるなら、要求される板の条件は”強さ”です。まず最初に急斜面でも足場を確保できる強さがあって、次にトリックがしやすいか、です。急斜面になるとそれだけハイスピードになりますから、それに耐えうるだけの強さが必要になります。
そしてもう一つのポイントは長さを少し短めにすること。そうすると操作性は格段に上がります。通常のカービング用のボードより2cm~4cm程度短めのものを選択すると、急斜面でもトリックを安心して仕掛けることが出来ます。
また、DESPERADOはハンマーヘッドでノーズの食いつきがとっても良いです。なので、ノーズを引っ掛けて180°回すという技がとってもやりやすいです。たかが180°ですが、それをハイスピードで行えばゲレンデ中から視線を集めることが出来ます。しかもこの板はフレックスも固いので、安心してノーズに体重移動していけます。
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■まとめ
グラトリにも様々な種類があります。それによって適切な板は変わってきます。通常グラトリ用とされているロッカーボードも、カービング中にグラトリをするとなるととても不向きな板となります。カービング中にトリックを入れたい場合はキャンバーかダブルキャンバーの板を選びましょう。あなたがどんなスタイルを目指しているのかを明確にして、板選びをすると後悔のない選択が出来ると思います。今日も最後まで読んでくれてありがとうございます。ではまた。
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