スノーボードの板には「推奨スタンス」というものがあるのは知っていますか?メーカー側が、この板は何cmのスタンス幅で乗るのがいいですよー
と決めているんですね。でも、ちょっと待ってください。メーカーは何をもって「推奨スタンス」と決めているのでしょうか?実は、ここに落とし穴があるんです。今回はスノーボードのスタンスについてお話します。
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例えば私の今乗っているOGASAKA CT 156の推奨スタンスは56cmですが、この56cmというメーカー推奨のスタンスはカービングターン初心者にとっては広すぎます。私と体格がほぼ同じ人(170cm、62kg)で、カービング初心者の人がこの板に乗るならスタンス幅は52cmくらいがちょうどいいです。
この52cmという数値をどうやって出したかというと、実際に私がスタンスを52cmで滑ってみて、「カービングやり始めの人は52cmくらいの方が板のしなりを感じやすいなぁ」と思ったんです。
はい。主観です。笑
でも、じゃぁなんでこの板の推奨スタンス幅が56cmなのか私なりの考えを言うと、、
検定やテク選などのロングターンで板が”しならなり過ぎない”ようにするため
だと私は思っています。
このあたりは客層を意識していると思われます。オガサカを選ぶ人はほとんどは検定やテク選などを視野に入れている人だと思うんです。(そうじゃない人はNovemberや011にすると思います。)そういった人がまず意識するのは「ロングターン」です。検定では基本的に、ターン指定があります。指定のターン数で滑らないと減点です。4ターンの指定があるのに5ターンで滑ってはだめなんです。
そこで仮に推奨スタンス幅が52cmでロングターンをしたら・・・板はしなり過ぎて曲がり過ぎてしまいます。結果として4ターンではなく5ターンになる恐れがある。
なので検定等のロングターンでも使いやすいように推奨スタンスを決めているのかなと思います。
また、時代の流れも反映していると思われます。ワイドスタンスで滑ることがカッコいいとされ、テク選上位の方もワイドで乗る人も結構居ます。(板選びの時に推奨スタンスを基準に長さを決める人もいるくらいです。)
ただ、テク選上位の方はワイドでも板のしなりを巧みに使えます。それは脚力や滑走速度の違いが影響しています。滑走速度があがれば、それに伴って遠心力も増えて板をしならせようとする力は大きくなります。当たり前ですが、スピードが速くなりますからそれにあわせた体の使い方が必要になってきます。
実際私はA級インストラクターの試験を受けたときは広めの56cmというスタンス幅で滑りました。ロングターンは良いポジションにいるだけでターンしてくれるんでとても良いですが、ショートターンになると積極的に前ひざを使う必要があって正直大変でした。
しかし、実際、楽に滑りたいなーと思った時や、シャバ雪・新雪のときは違います。スタンス幅を54cmにします。そう、スタンス幅を狭くするんです。
スタンス幅を狭くすると楽に板の反発を得られるんです。こんなメリットがあるんですね。板が簡単にしなるので、ターン後半の板の反発を得やすいんです。スタンス幅が狭いとムダに踏み込む必要がないので、楽に滑れます。
でも多くの人は、メーカーが「勝手に」決めた推奨スタンスになぜか固執します。それってもったいないですよね。
とくに、3月以降のシャバ雪ではスタンスが広めで力いっぱい踏み込んでしまうと、雪に埋まってしまいます。なので、踏み込まないで板をたわませるにはスタンス幅を狭くするといいんです。メーカーの推奨スタンスは一度疑ってみるのがいいです。本当の自分のスタンスを探すという意味で。
メーカーの推奨スタンスというのは、メーカーが勝手に決めた値でしか無いと私は思っています。もちろん、メーカー側で色々なシミュレーションをしていると思います。最新のシミュレーションを使って構造解析もしてるかもしれません。
しかし、乗り手のスキルや体格が違えば乗り方は違って当然です。なので、メーカーの推奨スタンスがあなたに合っているとは限らないんです。なので、とりあえずの推奨スタンスは良いと思いますが、それで固定するのはすこしもったいないです。
色々とスタンス幅を試してみると新たな発見が必ずあります。ぜひ、メーカーの推奨スタンスは「参考程度」に考えて、雪質や自分のスタイルにあったスタンス幅を見つけてください。今日も最後まで読んでくれてありがとうございます。ではまた。
初歩的な質問で失礼します。
狭いスタンスで乗ると、板のしなり、その後の走りを作りやすいことは理解できました。
そして、上手い人(スピードが速い)がその設定で乗ると、検定大回りで5ターンしてしまうかもしれないとしたら、
例えばFC (極論で言ったらFC-X)のようなより固く、より反発の強い板に乗って、同様に狭いスタンスにした方がよいように思うのですが、如何でしょうか。
言い換えると、自分の骨格に合ったスタンス(ワイズ、アングルなど)を決め、自分の実力を見極め、求めるターンができやすい板を決めるという考え方はいかがでしょうか。
mi3さん
コメントありがとうございます。
話を単純化するために記事では触れなかったですが、ターン弧を調整する要素に①しなり②角付け量③サイドカーブがあります。
それらの要素があることを念頭に置いて、mi3のおっしゃるように、自分の骨格や滑りのレベルに合った板を選ぶと良いと思います。
FCのような硬い板といってもサイドカーブが違う種類ですと、乗り味やターン弧は変わってきます。なので、乗りながらしなりを感じきれてないなら、スタンスを狭くするという選択もしてみると良いと思います。
スタンスやアングルは普遍的な正解が出しにくいです。mi3さんのように考えながら試しながらやっていくのが良いと思います。