バッジテスト1級や2級にに受かりたいと思っているけど中々成果をあげられない人に向けて、「最短」でバッジテスト1級を取得する方法を紹介します。
必要な滑走レベルは「中級斜面で連続ターンができる」程度の人です。
そんな人が1シーズンでバッジテスト1級に受かるための手順を解説します。はっきり言ってバッジテスト1級は、取ろうと思ったら1シーズンで取れます。
肝心なのは、バッジテスト1級を1シーズンで取るための「戦略」をたてるということです。この「戦略」を立てている人がまずいないです。バッジテストはあくまで「資格」です。なので、一定の合格基準があり、それを満たせば年齢性別職種に関係なく合格することができます。
ということで、本編に行きましょう。(長いので3回に分けて書きます。)
(トップフォト参照元:オガサカスノーボードHP(撮影者:Gamichan))
目次
まずは受験スケジュールを組み立てよう
バッジテスト受験日を決めないことは、旅行するのに目的地を決めないことと同じ
バッジテスト1級に受かると決めたら、まず最初にすべきことは受験スケジュールを確認することです。スノーボードのシーズンは12月から3月までなので(GWまで滑れるスキー場もあります)、
「そろそろバッジテストを受けようかな・・・ん?もう3月??」
という風にあっという間にシーズンが終わってしまう、、なんてこともありえます。
また、高校受験や大学受験のときは、受験日から逆算して考えることが普通かと思いますが、ことバッジテストになるとそれをするという人は中々少ないように思います。このゴール設定をはっきりさせることで、自分の中のモチベーションにも火がつくことでしょう。
行動できない理由で一番多いのは、「いつまでに何をしたらいいのか?」が明確になっていないからです。
バッジテストの受験日をまずは決めてしまうことで、まずは「いつまで」が必然的に決定されます。そしたら、そのスケジュールを細かくしていき、必要なことややるべきことを細分化して考えていきましょう。
合計で3~4回受験するつもりのスケジューリングする
このスケジューリングの段階で重要なのは、失敗も考慮に入れるということです。
つまり、「ポジティブプランニングとネガティブシミュレーション」です。
今回のケースで言えば、「連続ターンが出来る程度の人がたった1シーズンでバッジテストに受かる方法」はポジティブなプランニング(計画)ですよね。前向きにとらえて、行動しやすくするものです。
一方でネガティブシミュレーションとは、「とは言え、一発で受かることは考えにくいから、もしものときを考えておこう」という考え方のことを言います。
ポジティブ(前向き)に企画して、詳細スケジュールを決めるときはネガティブ(失敗等)の要素も考慮して計画をしましょう。
例えば、富士見パノラマの場合(2015.11月現在のデータ)
例えば、富士見パノラマスキー場でバッジテストを受ける場合、以下のようなスケジュールがいいでしょう。
2級受験予定日:2/21、3/6
1級受験予定日:3/6、3/27
こんな感じで受験のスケジュールを考えます。もしこれがダメでも4月に白馬五竜やガーラ湯沢などで受験は可能です。
12月上旬から滑り始めて、最初のバッジテスト2級までに3ヶ月弱もあるわけですから、十分なスケジューリングだと考えます。そして、基礎力を向上させつつバッジテスト2級が受かれば、バッジテスト1級はすぐです。
もし、「2級に受かったけど1級が程遠い・・・」と感じている人がいれば、表面的なスキルに終始してる可能性が高いです。しっかりと、落下する力と遠心力を感じながら、滑りの総合力を伸ばしていけば、2級から1級はそう難しいものではありません。
受験場所は出来る限り一つに絞る
そして、なるべく受験場所は一つにすることをお勧めします。理由としては以下のようなものがあります。
- 実際のコースを徹底的に滑り倒すため
- イントラと仲良くなって「スクール毎のクセ」を聞き出すため
- スキー場毎の雪質に慣れるため
それぞれ説明しますと、まず「実際のコースを徹底的に滑り倒すため」についてですが、これは言わずもがなで理解してもらえると思います。「資格試験」でいうと、これは「過去問を解く」ことと等しいことです。「資格試験」で過去問を解かないで受験するという人がいるでしょうか?もちろんごく一部の天才と言われる人はそれでもいいと思いますが、私をはじめとした普通の人は必ず「過去問」を解くことでしょう。
スノーボードのバッジテストでも同じで、どれだけそのコースで滑ったかが、当日の安心感へとつながります。これがまったくの初めてのコースの場合、コース特有のうねりだったり斜度変化に対応できなくなります。そしてなにより、まったく初めてのコースを滑るということで、少なからず「余計な緊張感」を持ってしまいます。それが試験当日の滑りに影響することはまず間違い無いでしょう。
なので、「実際のコースを徹底的に滑り倒す」ことでコースに対しての自信を身につけてください。
続いて、「イントラと仲良くなって「スクール毎のクセ」を聞き出すため」ですが、これはリサーチです。このリサーチを怠っている人が多いです。試験といえど、バッジテストは「人」がジャッジします。なので、少なからず検定員によって合否のポイントが変わります。もちろん大幅にはかわることはありません。ですが、どのポイントを重視しているかは、検定員によって変わってきます。
例えるなら、プロ野球の審判と同じです。プロ野球の審判は、審判のためにトレーニングを積んだ人しかなれません。当たり前ですよね。でも、「今日の審判はやけに低めをとるなぁ」という印象を持つこともありますよね?もしくは、「やけに外角を広くとるなぁ」とか。プロ野球の審判ですら、そのようなことはあるので、スノーボードのバッジテストでも同じようなことは起こります。
なので、そのジャッジのクセをいち早く理解しておく必要があります。先ほどのプロ野球の例でいうと、「この審判は、低めを広くとる審判なのだろうか?それとも外角を広くとる審判なのだろうか?」といったところです。野球の場合は、9回まであるので、中盤まででそのクセがわかっても対処のしようがありますが、スノーボードのバッジテストの場合、事前にわかっていないとその時点でアウトです。本番当日の滑った後に検定員のクセがわかったところで、もう遅いわけです。なので、事前のリサーチが重要なんです。
そのリサーチを行うためには、そこのスクールの校長に習って話を聞くのが一番です。スクールでは定期的にイントラのための講習会が行われます。なので、スクール内で滑りの理論は統一化されていきます。そしてそれは基本的にはスクールの校長の考えが浸透するケースが多いです。いわば「長」なわけなので、その「長」の考え方がスクール内に浸透するのは至極当然の考え方です。
また、バッジテストの検定員もスノーボードスクールの校長が担当するケースが多いため、まずは校長から習うのが一番です。その後に、バッジテストの検定員を担当しそうなインストラクターからレッスンを受けて行って、どんどんリサーチをしていくのがいいです。
もちろん、これらの方法は合格をもぎ取る最後の一押しのためですが、合格率を1%でもアップさせるには、やれることはやっておくべきです。ただし基本的な技術向上は普段の練習から意識して行いましょう。
そして3点目、「スキー場毎の雪質に慣れるため」に関してお話します。雪質によって滑りの感覚が変わってくるというお話です。人工雪を巻くようなスキー場と天然雪だけのスキー場とでは、板が雪に埋もれる感じが全く違います。またまた、野球を例にだすと、人工芝と天然芝くらい違います。もしくは、金属バットと木製バットくらい違います。(わかりますかね?笑)
時間ごとの違いもあります。日中の雪の感覚も違いますし、冷えてきた夕方でも雪の感覚は違ってきます。なので、まずはバッジテストを受けるスキー場の雪質に慣れておく必要があります。
これは私が実際にイントラ検定を受けた時に、とても感じました。私は普段は人工雪も降らせるスキー場で滑っているのですが、イントラ検定は白馬五竜という白馬でも積雪の多いスキー場での開催となりました。季節は3月の中旬でしたが、普段滑っているスキー場との違いに驚きを隠せませんでした。普段のスキー場は、雪が溶け始めるとシャーベット状になるのですが、白馬五竜はまったく違ってしっかりとグリップしてくれる感じでした。
なので、できるだけ普段滑っている雪質のところで受験するのが混乱が少なくて良いです。
次はどんな種目があるのか理解しよう
では次にバッジテストで求められる滑りについて説明していきます。「合格の滑り」がどのようなものなのかをはっきりとイメージすることで、より合格に近づくことができます。また、バッジテストには着眼点というものがあり、指定された動きを表現する必要があります。なので、単純に滑りがうまいだけでは合格することはできません。(TOEICという英語の試験で、英語がしゃべれるだけでは高得点がでないのと同じ。)
なので、この着眼点をしっかりと理解して表現するようにしましょう。イメージはフィギアスケートです。スノーボードのバッジテストもフィギュアスケートと同じように滑りに対して点数がつけられます。その点数のつけ方をまとめたものが着眼点ということになります。
それでは、バッジテスト2級と1級の種目と着眼点について見ていきましょう。ただし、この段階ではそれほど意識しなくていいです。どんな種目があってだいたいどんな滑りが求められるのかのイメージをつくるのが目的です。
バッジテストの種目と着眼点
実はバッジテストの着眼点は、スノーボード教程に書かれているので誰でもが確認することができます。写真を貼っておきます。
また、バッジテスト1級と2級の箇所だけ抜粋して記載します。
1級 | 2級 | |
ベーシックカーブロング |
|
|
カービングターンショート | 無 |
|
ベーシクカーブショート |
|
無 |
フリーライディング |
|
バッジテストの実際のレベルを把握する
言葉で並べてもなかなかイメージしにくいと思いますので、バッジテストの実際の動画を集めてみました。2級も1級も種目別でいうと70点で合格点です。3種目の合計が210点以上であれば晴れて合格とうことになります。
加点のつく滑りですが、着眼点を理解しよく表現できたら加点が1点つきます。例えば、圧倒的なキレとこれ以上ないくらいの上下動をして滑れば、2点の加点がつくこともあります。(2点加点はほとんどないです。1点の加点がつくだけでも素晴らしいです。)
一方で減点要素としては、ターン弧が左右でバラバラとか、暴走気味とか、着眼点からずれた滑りをすると1点減点です。これに2点減点されたら、「おとといきやがれ」状態です。もし、2点減点されて68点とかでしたら、基本から確認することをおすすめします。
それでは、実際のバッジテストの滑走動画です。どの程度の滑りだと合格点(70点)が出るのだろう?と考えながら見てください。
ロングターンとショートターン動画その1
ロングターンとショートターン動画その2
フリーライディングの動画その1
フリーライディングの動画その2
バッジテスト2級と1級の大きな違いは?
動画を実際に見てどう感じましたか?1級と2級の違いがそれほどはっきりとわかるものではないかなと思います。なので、ざっくりですが、バッジテスト2級と1級にはどのような違いをまとめてみます。
次の点に意識しながら何度も動画をみて、目標を達成している自分をイメージしてみてください。
- 滑走スピードと安定性
- カービングターンのキレ
- 上下動の量(2級のショートターンは関係無し)
- ターン弧の左右のバランス
特に意識したいのは「ターン弧の左右のバランス」です。これは着眼点でも書かれている通りですし、ジャッジの目線から見たら違いは一目瞭然です。ターン弧を自らの意思で調整できることがバッジテストに合格するための最低条件です。
まとめ
まずは、準備段階としてバッジテストを受ける際の「スケジューリング」と「合格の滑りのリサーチ」についてお話しました。はっきりいってこれをどれくらい真面目にやるかで、合格率は段違いで変わってきます。初めの段階で、バッジテスト合格までの道のりをはっきりさせるためには必ず必要な行為です。
正直、こういう切り口からバッジテストをとらえている人はあまりいないと思うので、中々面白かったのでは?とも思います。
次回以降で、バッジテストに向いている板・ビンディング・ブーツについてや、セッティング、そして実際のスケジュールをどうこなすか?についてお話する予定です。お楽しみに。では、今日も最後まで読んでくれてありがとうございました。
こんにちは
1級のロングターンの動画見ると、全員が停止の時に向きを変えているので5ターンとなって減点ではないでしょうか?
こうじさん
コメントありがとうございます。
確かに5ターンですが、こちらは昨シーズンから「ターン数」について規定が変わってまして、その影響です。
従来だと、4ターン終了がわかりにくかったので、4ターン終了時にもう1ターンを追加して停止するようになりました。
ただ、全国的にまだ浸透しきれていないので、スクールによって4ターンか5ターンかは変わります。
ですので、詳細は各スクールに問い合わせいただくのが確実かと思います。
“こちらは”というのは、この動画のスクールの事でしょうか?
曖昧だったゴールの細かい規定について、一昨年にJSBAから各スクールへ通達されて統一されているはずです。
“全国に浸透しきれてない”とか、そういういい加減なものではないはずです。