ほけん業界に潜入して、ほけんの勉強をすればするほど、保険会社の収益性にについては「?」のところが多かったです。 僕個人の考え方としては、会社として存続し続けることが、契約者のためにもなるので、収益をあげることは必要だと思っています。 ただ、「どうやって収益をあげているの?」といわれたらわからなかったので、今回はそのあたりについてまとめてみます。
実は僕らが支払った保険料は、保険金として「全て」支払われる仕組みになっている?
まず、ほけん業界に潜入して最初に研修を受けるわけですが、その研修テキストの最初の方にかかれているのは、保険料は「収支相当の原則」からきていると言うのです。 どういうことかというと、契約者全体が保険会社に支払う総額と、保険会社が受取人全体に支払う保険金の総額が相等しくなるらしいのです。 詳しく説明します。 まず保険会社は、大勢の人からお金を出し合ってもらい大きな共有財産をつくります。 そして、お金を払った人の誰かに万が一のことがあったら、その共有資産のお金と同額のお金を保険金として支払うというものです。 図でいうと以下のようなイメージですね。 つまり、契約者全体が保険会社に支払う総額と、保険会社が受取人全体に支払う保険金の総額が相等しくなるようになっています。 また収支相当の原則を具体的に死亡保険の例で見てみます。 例えば1000人の30歳の男性が、それぞれ200万円の死亡保険(保険期間1年)で契約してたとします。また、30歳男性の死亡率を1000分の2とすると、そうるすと死亡保険金の合計金額は、
一人当たりの死亡保険金 | 一年間の死亡者数 | 死亡保険金合計金額 | ||
200万円 | × | 2(人) | = | 400万円 |
となります。 この死亡保険金としての400万円を加入者全員で平等に分担するので、一人当たりの保険料は、
400万円 | ÷ | 1000(人) | = | 4000円 |
となります。 したがって、保険料総額は、
4000円 | × | 1000(人) | = | 400万円 |
となります。 つまり、保険料総額(保険会社の収入)も保険金総額(保険会社の支出)も400万円で、契約全体としてみると、保険会社の収支は等しくなるんです。 と、こんなようなことがテキストに書かれていたわけです。(一部筆者編集)
それじゃ、保険会社は利益でなくてつぶれちゃうよね?
「収支相当の原則」なんて言われると、じゃぁどこで利益あげてるのよ?となりますよね。 利益を上げないと会社が潰れちゃうわけですから。 企業として利益を上げることが存続する上で重要ですよね。 保険会社が潰れたら、保険金の支払も基本的にはできなくなってしまいますから。 で、調べていくうちに保険会社は3つの利益を得ているみたいですね。
- 予想より亡くなる人が少なかった収益(死差益)
- 予想より資産運用がうまくいった収益(利差益)
- 予想より運営費を抑えられた収益(費差益)
それぞれ見ていきましょう。
予想より亡くなる人が少なかった収益(死差益)
先ほどの例では、死亡率は1000分の2としましたが、これをそのまま採用すると保険会社の収益がなくなってしまいますよね。 なので、保険会社は参考にする死亡率に対して一定の「安全率」を加えて保険料の算出をしています。 この「安全率」の計算の仕方が保険会社によって変わるところです。 そして、この利益が保険業界で一番多い部分です。 「リスクの引き受け」とも言われて、「保険会社がリスクを背負っている分、お金ちょうだいね」って感じでしょうか。 この死差益による収益がどの保険会社も多いです。 日本の保険会社はこの死差益が多すぎるのではないか?との議論もあるくらいです。
予想より資産運用がうまくいった収益(利差益)
続いては運用がうまくいった時にうまれる利益です。 僕たち契約者が保険会社に支払った保険料は、保険会社が「運用」します。 保険契約は基本的に長期になることから、保険会社はその資金を運用して増やしているんですね。 運用先も「安定」なものへと行われるているそうです。 保険料に関しても、実はこの運用がある程度うまくいく前提で考えられていて、保険料も本来より少し安くなっています。 なので、保険会社がまったく運用しなかったら保険料は多少高くなります。 運用でうまくいくことを見込んで保険料を算出していますが、それ以上にうまく運用できた場合に発生するのが「利差益」です。 これもも各社によって変わりますね。 どこにどうやって運用するかは保険会社のみが知るところです。 ただ、先ほども言いましたがあまりにギャンブルチックな運用はしないのが普通です。(過去に運用失敗して潰れた保険会社がありましたけどね。苦笑) また、利差益に該当するかはわかりませんが、保険会社は「貸付」もしています。 要は、お金を貸して利息分から儲けをもらっています。 貸付する先も基本的には、日本の国益となるような分野に絞られています。 また、個人でも保険会社から貸付を受けることができます。 もちろん一定の金利はつきます。 長期の入院や通院となると、高額な現金を必要とするケースもありますから、そういったケースの場合に保険会社からお金を一時的に借りることもできます。 ちょっと話がそれましたが、保険会社の収益の一つとして、「貸付」があるということですね。
予想より運営費を抑えられた収益(費差益)
保険料には、保険会社が運営する上で必要なお金も含まれています。 それが運営費です。その運営費を営業努力で抑えることができた場合には、費差益として保険会社の収益になります。 インターネットのみで保険を提供する会社は元々の運営費が少ないですから、比較的保険料は低くすみます。 ただ、多くの販売員を抱える会社ですと、運営費がかさみますよね。 その運営費をおさえることで発生する収益がこの費差益ということです。
まとめ
なので以上をまとめると、保険料をたとえば5000円払っていたとしても、収支相当の原則とは言うもののその全てが保険金として支払われているわけではないってことですね。 まぁ結果的には当たり前のことなんですけど、テキストで「収支相当の原則」なんて言葉がでてきたので、僕は素直に疑問に思ったわけで、それを調べたら保険会社の収益について知ることができたということですね。死差益、利差益、費差益が保険会社の収益になっているということですな。 でも結局、保険料の内訳がどうなってるのかがわかりにくいですよね。。それはまた次回ということで。
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